インターネットに接続するための回線には、光回線やADSL回線などがあります。この記事では、ADSL回線について、以下の内容をわかりやすく解説します。
- ADSL回線とは何か
- ADSL回線の仕組みや特徴
- ADSL回線のメリット・デメリット
- ADSL回線が普及した経緯
- ADSL回線の今後
ADSL回線とは何か
ADSL回線とは、「Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者線)」の略語で、一般的な電話回線を使って高速データ通信を可能にした技術のことです。
ADSL回線は、電話回線の周波数を、音声とデータ通信用に分けて利用します。音声は低周波数帯、データは高周波数帯を使うことで、電話とインターネットの同時利用ができます。
ADSL回線は、非対称という名前の通り、通信速度の「下り(受信/ダウンロード)」と「上り(送信/アップロード)」が異なります。下りの方が上りよりも速いのが特徴です。
ADSL回線の仕組みや特徴
ADSL回線を利用するためには、プロバイダーと回線事業者の両方と契約する必要があります。プロバイダーはインターネットと回線をつなげるサービスを提供し、回線事業者は電話回線を提供します。
ADSL回線の仕組み
- 電話線とスプリッターをケーブルでつなぎ、音声信号とADSL信号に分ける。
- スプリッターとADSLモデムをケーブルでつなぎ、ADSL信号をデジタル信号に変換する。
- ADSLモデムとパソコンをLANケーブルもしくは無線LANでつなぎ、インターネットに接続する。
ADSL回線の特徴
- 電話回線を流用するため、機材を揃えて契約すればすぐに利用できる。
- 月額固定料金で常時接続が可能で、下り1Mbps以上の高速なインターネット通信が可能。
- 下りの通信速度は最大50Mbps、上りの通信速度は最大5Mbpsとなっている。
ADSL回線のメリット・デメリット
ADSL回線のメリット
- 電話回線を使うため、光回線のように新たな工事や設備が不要で、費用が安い。
- 電話とインターネットの同時利用ができるため、電話番号や電話機を変える必要がない。
- 下りの通信速度が速いため、動画や音楽などのダウンロードがスムーズにできる。
ADSL回線のデメリット
- 基地局との距離が遠いほど通信速度が落ちやすく、ほかの電波の影響も受けやすい。
- 上りの通信速度が遅いため、動画や画像などのアップロードが時間がかかる。
- ADSLモデムやスプリッターなどの機器が必要で、故障やトラブルの原因になりやすい。
ADSL回線が普及した経緯
ADSL回線は、1999年に日本でのサービスが開始されました。
それまでのインターネット接続は、アナログ回線やデジタル回線を利用したISDNが主流でしたが、通信速度が遅く、料金も高かったです。
ADSL回線は、それらの回線よりも通信速度が速く、料金も安いことから、インターネットが普及し始めて間もない2000年代初頭に爆発的に利用者が増えました。
ADSL回線は、しばらくの間家庭におけるインターネット接続の事実上の標準となりましたが、その後光回線の普及により、徐々に利用者が減少しました。
ADSL回線の今後
ADSL回線は、2025年1月に完全終了する予定です。
その理由は、以下のとおりです。
- 光回線の普及により、ADSL回線の需要が減少したこと。
- 電話回線の老朽化により、ADSL回線の維持・管理が困難になったこと。
- 5Gなどの新しい通信技術の発展により、ADSL回線の性能が見劣りするようになったこと。
ADSL回線の利用者は、光回線やモバイル回線などに乗り換える必要があります。
まとめ
ADSL回線について、その仕組みや特徴、メリット・デメリット、普及の背景や今後について解説しました。ADSL回線は、インターネットの発展に大きく貢献した技術ですが、時代の変化によりサービスが終了することになりました。ADSL回線の利用者は、早めに他の回線に移行することをおすすめします。
※切り替えに伴う比較方法などはこちらの記事も参考にしてください。
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